先日書きました「自家製酵母」の話からコロッと変わりまして、今日は私が今最も注目している映画監督(何て言うと偉そうなんですが・・・)、
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ氏が2010年に発表した「
ビウティフル」(綴りをあえて変えているのでビューティフルと呼ぶよりいいような?)について。
2006年にアメリカ映画として発表された「バベル」では、日本から役所広司さんや菊地凛子さんが出ていて話題にもなっていたと思いますので、ご存知の方もあるのでは。
初めてこの監督のメジャーデビュー作品「Amores Perros」を観たのは何年も前のことで、とにかく始まりから終わりまでガツ~ンと頭を打ったみたいな衝撃を受けました。
メキシコからスゴイ映画が出てきた!と話題になっていたので期待して観たのですが、久しぶりに観たヘビーウェイト映画で、ミレニアムになってこんな監督が出てきたんだ!と90年代にデンマークからドグマ95の
ラース・フォン・トリアー監督が出てきたのと同じくらいワクワクしたのを昨日のように覚えています。
お二人とも結構刺激的・過激な映画を撮られるので、そういう作品は苦手だという方にはお勧めできませんが、黒澤監督の「七人の侍」は観たという方ならお好きなのではないでしょうか。
ハリウッドのエンターテイメントも楽しいけれど、映画ファンとしてはこういう重い映画を素晴らしい演技で見せてくれる映画はたまりません!
そういう訳で、「Amores Perros」を観て以来この監督がとった作品は逃さずに観ているのですが、田舎に住んでいる上に子どもが三人いる身で、映画をタイムリーに映画館で観るのは悲しいながら中々の困難・・・!
この「Biutiful」も今年になってようやくDVDで観ることができました。
主演のスペイン人俳優ハビエル・バルデムがカンヌ映画祭で男優賞を受賞した作品だったので、この作品も期待大で観ましたが、これもまた素晴らしい作品でした。溜息・・・
バルデムの演技はもちろん、彼の妻を演じたマリセル・アルバレスや子供たち二人の素晴らしいこと。
今世界中で問題になっている移民の問題、社会の底辺に住む人々を映し出した重たい内容なのですが、重病を持つ一人の寂しい男を追いかけた、映像美あるスゴイ作品です。
次にどんな映画を撮ってくれるのか、待ち遠しいなぁ。